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line & colors

川内理香子 個展

このたびエヌ・アンド・エー株式会社が企画運営を行うN&A Art SITEでは、川内理香子の個展 "line & colors" を3月25日(土)から4月27日(木)まで開催いたします。
川内は食への関心や身体への違和感を起点とし、身体と精神、もしくは自然と思考の相互関係の不明瞭さを主軸に、ドローイングやペインティングをはじめ、針金やゴムチューブ、樹脂やネオン管など、多岐にわたるメディアを横断しながら作品を制作しています。なかでも油彩作品では、油彩絵具を厚く塗り、その上からペインティングナイフの先端で絵具を削るように線を描く独特の手法が用いられています。本展で展示される12点の新作油彩作品には、レヴィ=ストロースの神話分析から着想を得た動物や植物のモチーフと人体や人間の頭部が混然と配置されており、川内独特の身体観や生命観が感じられます。
本展は、弊社代表の南條史生による企画展シリーズ「NANJO SELECTION」の第1弾として開催いたします。
Curator’s TEXT

開催概要

展覧会名: 川内理香子 "line & colors"
会期:2023年3月25日(土)―4月27日(木) 12:00-17:00 (日)(月)休
会場:N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6 / 東急東横線中目黒駅より徒歩5分)
主催:エヌ・アンド・エー株式会社
協力:WAITINGROOM

川内理香子について

「しばしば線は思考であり、色は感情であると言われる。別な解釈をすると線は精神であり、色は肉体である、とも言えるだろう。(中略)私は川内の作品に、この二者の間の緊張を感じとる。線と色は互いの役割を持って画面を埋める。それは精神と肉体の対立と協働のように見える。それが止揚されて作品の総体に昇華する。

その結果、川内の作品には精神の自由、解放、自身の存在への洞察と関心、外に広がる世界への恐れと愛を読み取ることができる。イタリアの哲学者ジョルジョ・アガンベンは、『異質な他者とともにあることを、喜びと感じることが愛である』という意味の文章を記している。川内の作品のダイナミズムは対立と矛盾を抱擁し、包含することに由来する『愛』から生じているのではないだろうか。」

—『川内理香子 “line & colors”』図録(2023年発行)より抜粋

南條史生

Artist Profile

photo by Sakiko Nomura

川内 理香子 /
Rikako Kawauchi

11990 年東京都生まれ。
2017 年多摩美術大学大学院・美術学部・絵画学科・油画専攻修了。東京を拠点に活動。多摩美術大学在学中の2014年に参加した公募グループ展『CAF ART AWARD 2014』で保坂健二朗賞を受賞、15年に新進アーティストを対象にした公募プログラム『shiseido art egg』に入選し資生堂ギャラリーで個展を開催、shiseido art egg賞も受賞。22年には『VOCA展2022 現代美術の展望─新しい平面の作家たち─』にて大賞のVOCA賞を受賞、同年ドイツのVAN DER GRINTEN GALERIEにてヨーロッパ圏での初めての個展を開催するなど、近年、国内外から注目を集める気鋭のアーティストである。

photo by Sakiko Nomura