close

There are plants in my garden

水戸部七絵 個展

このたびエヌ・アンド・エー株式会社(代表取締役:南條史生)が企画運営を行うN&A Art SITEでは、南條史生による企画展シリーズ「NANJO SELECTION」の第7弾として、水戸部七絵の個展『There are plants in my garden』を2025年7月4日(金) から7月26日(土)まで開催いたします。
水戸部は、油絵具を手で幾層にも重ねることで生まれる、重厚な質感を特徴とした絵画で知られています。初期には著名人やポップ・アイコンを描いた作品を発表してきましたが、2014年のアメリカ滞在以降は、そのスタイルで極めて抽象化された顔を描く「DEPTH」シリーズなどの作品を展開しています。
本展では「人新世(Anthropocene)」をテーマに、水戸部のアトリエの庭に蓄積してきた大理石像を用いた作品や、油彩や顔料、コンクリートなど様々な素材を塗り重ねた絵画作品などの新作を展示します。水戸部の作品における重なり合う物質の層は、この変容の時代を可視化します。油彩などの伝統的な素材に加え、アトリエの近くの海で採った砂や鉱物、鉄、コンクリートやプラスチックなどの人工的な物質がその層に組み込まれています。私たちはこの時代の痕跡をどのようにして残していくのか、それはどのような未来へとつながるのか、本展はその問いを作品の物質性を通して浮かび上がらせる試みです。

開催概要

展覧会名:NANJO SELECTION vol. 7 水戸部七絵 個展『There are plants in my garden』
会期:2025年7月4日(金)− 7月26日(土) 12:00-17:00 (日)(月)(祝)休 
会場:N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6 / 東急東横線中目黒駅より徒歩5分)
主催:エヌ・アンド・エー株式会社、アートジーン合同会社
アドバイザー:沓名美和

水戸部七絵について

水戸部は絵具の積み重ねで厚みを持つ絵画で知られてきた。しかし、その層をなす絵具の厚みは、今日の人新世という時間の遠近の中に置かれ、日常を超え始める。文明の失われた宇宙のビジョン、地層の蓄積と人類以後の世界、そこで生じる意味の崩壊と方向の喪失。水戸部は、正しいことに関わる気はない。確かなものがない迷宮の中で、手探りする。拾い上げたものが姿を変え、何者かに変容する。手探りがこれらの作品の根拠なのかもしれない。

 

南條史生

Artist Profile

水戸部七絵 /
Nanae Mitobe

1神奈川県生まれ、千葉県を拠点に活動。2011年名古屋造形大学卒業、2022年ウィーン美術アカデミー交換留学、2024年東京藝術大学大学院修了。長谷川繁、アラステア・マキンブン、小林正人らに師事する。油絵具を手で扱う厚塗りの絵画を特徴とし、匿名の顔を描く「DEPTH」シリーズなどを展開。社会や時代を独自の視点で描く作品を多数発表している。
nanaemitobe.com