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NANJO SELECTION Vol. 7 開催のお知らせ

「NANJO SELECTION」の第7弾として、N&A Art SITEにて水戸部七絵 個展『There are plants in my garden』を2025年7月4日(金)から7月26日(土)まで開催いたします。

開催概要

展覧会名: NANJO SELECTION vol. 7 水戸部七絵 個展『There are plants in my garden』
会期: 2025年7月4日(金) – 7月26日(土) 12:00-17:00 (日)(月)(祝)休
会場: N&A Art SITE(東京都目黒区上目黒1-11-6 / 東急東横線中目黒駅より徒歩5分)
主催: エヌ・アンド・エー株式会社、アートジーン合同会社
アドバイザー: 沓名美和

7月4日(金) 17:00-19:00内覧会開催予定(作家在廊予定) ※12:00より開廊

作家ステートメント

昨年、フランスのノルマンディから一人の学生がインターンで私のアトリエに働きにきた。 彼は、煙草が大好きで、よく庭で煙草を吸っていた。彼は、庭を見ながら、「僕はあの脚立が好きだ。」と、指をさした。そこには、錆びついた細い脚立があった。この脚立は長年外に放置され、このアトリエの庭の自然や雑草と馴染んでいた。 近年のコロナやアートマーケットの波も落ち着き、また平凡な日常が戻ってきた。 ふと、私が過去に放置してきたものに目がいった。雨風に晒された失敗作、埃の被った作品、コラージュで使った石膏像、油絵具のついた大量の一斗缶や壊れた道具、アトリエの中に収まらず外に放り出されたもの達が、植物や昆虫、土と同化していた。 暫くの間、庭を眺めながら我に返る。 思い描いた想像とは異なる未来。 この数年”何かがおかしかった”のかもしれない。 私は過去に立ち戻って、アトリエの庭を掘り起こすことにした。

水戸部七絵

水戸部七絵について

水戸部は絵具の積み重ねで厚みを持つ絵画で知られてきた。しかし、その層をなす絵具の厚みは、今日の人新世という時間の遠近の中に置かれ、日常を超え始める。文明の失われた宇宙のビジョン、地層の蓄積と人類以後の世界、そこで生じる意味の崩壊と方向の喪失。水戸部は、正しいことに関わる気はない。確かなものがない迷宮の中で、手探りする。拾い上げたものが姿を変え、何者かに変容する。手探りがこれらの作品の根拠なのかもしれない。

南條史生

アーティストプロフィール

神奈川県生まれ、千葉県を拠点に活動。 2011年名古屋造形大学卒業、2022年ウィーン美術アカデミー交換留学、2024年東京藝術大学大学院修了。長谷川繁、アラステア・マキンブン、小林正人らに師事する。油絵具を手で扱う厚塗りの絵画を特徴とし、匿名の顔を描く「DEPTH」シリーズなどを展開。社会や時代を独自の視点で描く作品を多数発表している。